THEビッグオーの各話解説の記事。
因みに各話の詳細な解説ではなく、メタと裏の表現解説です。
セカンドシーズンはカトゥーンネットワークや視聴者からの要望もあり、
世界観の解説の方にも力を入れています。
まぁ、オフィシャルガイドによると
シリーズ構成や監督からすれば「40年前の真実なんてないんですけど(笑)」みたいな状態だったようですが。
そういう世界設定で作られた物語なんだよ、というのを紐解いていくのがセカンドシーズンです。
特にファーストの13話で長谷川圭一氏が広げた「当時設定すらしていなかった風呂敷」の畳み方が大変だったとのこと。
ファーストシーズンはこちら
Act:14 Roger the Wanderer
セカンドシーズン第1話にして、ビッグオーの中で最も意味の分からない話。
主題としてはロジャー・スミスの内面描写であり、
記憶(メモリー)・設定(メモリー)を失うことはこんなにも不安に駆られること。
インタビューでは明確に触れられていないのですが、
あの風景は夢や虚像ではないのだと思います。
個人的な考察では、エンジェルが過去に作った物語(メモリー)の断片データを
ロジャー・スミスが体験していた状態。
「それ」がロジャーの「今」と全く違うのだから、自分という存在に疑念を抱くもの。
クロムバスター4発目(2回目)
Act:15 Negotiation with the Dead
どちらかといえばこちらの方がセカンドシーズン第1話。
真相が次の話に持ち越されるので詳細は16話にて。
Act:16 Day of the Advent
メモリーが過去の記憶というだけでなく、
過去の行動(メモリー)による結果が未来にも影響を与えることを提示した話。
この解釈だけに限って言えばアレックスは正しい認識をしていたのですけどね。
前話のロスコーが持っていたメモリーにより、
人工衛星の存在が発覚し、それが近日中に落ちてくることが判明。
というのはあくまでそういう設定(メモリー)。
実際はそもそも人工衛星どころか宇宙そのものが存在しない世界で、
何年何月何日に人工衛星が落ちるというストーリーライン(メモリー)をロスコーが持っていた状態。
現実世界で言えば(確実に的中する)予言みたいなもの。
つまりビッグオーにおけるメモリーは「そういうものなのだ」という話。
イイ話風に終わってるのですが、実際のところ依頼者が結構な危険人物。
クロムバスター5発目
Act:17 Leviathan
シュバルツバルト先生の講義(セカンドシーズン)。
なおリヴァイアサンはエンジェルが過去に作った物語の敵役であり、
その設定の関係で残っていた躯体が蘇った状態(予想)。
他の点では、
パラダイムシティの地下(バッグヤード)に何でもない人間が入ることができ、
そこからメガデウスのパーツを移動させることができる
=パラダイムシティ(舞台)の法則が壊れかかっている状態。
Act:18 The Greatest Villain
ベック・ザ・グレートRX3というサンライズのお遊び回。
メタとしては、メモリーが全く関係ない人物に不意に転写されることを示しています。
ベックが落雷によってビッグオーのドミュナスを理解したように。
つまり本来持ち得ない人物にも設定(メモリー)が伝わってしまうことがあるということ。
その代表格が後に判明するゴードン・ローズウォーターですね。
Act:19 Eyewitness
この世界ではアンドロイドも人間も同じ、
自分の考えで行動し未来を決める者である、という暗喩。
Act:20 Stripes
実態のないものにどうしてそう拘るのかね?
今ここにないものは、最初からなかったことと同じではないのかね?
ぶっちゃけこの回の内容はほぼロジャーの勘違いで構成されています。
元老院議員についての補足(※あくまで考察です):ゴードンが作ったトマト(若者)とは元老院議員のメモリーを移植したものです。
では元老院議員が持っていた移植したメモリーとは何か。
これは舞台を構成する設定(メモリー)のこと。
例えばロスコーの持っていた人工衛星に関する内容のように過去に何があって未来に何が起こるのか。
そういったストーリーライン(台本)のようなもの。
描写の上ではアレックスもそれを継承している一人ですが、
最後まで40年前のメモリーを発現できなかったか、
またはメガデウスのドミュナスに関するメモリーがそれ。
※アレックス自身はメガデウスのドミュナスではありません。
あくまで誰がドミュナスで、ドミュナスが何かというメモリー。
Act:21 The Third Big
ザ・ビッグのドミュナスとはどういうものかというお話。
アレックスはビッグファウのドミュナスではないし、
ザ・ビッグはドミュナスでない者に従わない。
ロジャーはビッグオーのドミュナスであるが、
ビッグオー自身はロジャーの意思とロジャー自身を護るために起動する。
またダストンが世界の真実に気づいているような描写があります。
本当の本当に、世界構成そのものを理解していたかは不明。
ただ「Winter Night Phantom」や今までの経緯から気づいていてもおかしくはない状態です。
Act:22 Hydra
プラズマ・ギミックの使用回。
メタ的にはエンジェルが過去に作成した物語でも
ロジャーはビッグオーの「パイロット」だったことの提示。
そのロジャーと今のロジャーは同じ存在でないものの、
エンジェルが不安定になり設定(メモリー)が混在してしまったことで発現したもの。
Act:23 Twisted Memories
インタビューによると、ここからは最終回へ向けての連続ドラマ。
結局アレックスはメモリーの本質も世界の真実に気づくこともなく、
ただ自分の思い描いた妄想が真実だと勘違いしたまま力を行使し続けた結果のお話。
メタ視点で見ればアレックスはシュバルツの対局に居る。
Act:24 The Big Fight!
この世界の真実とはなにか。
ザ・ビッグのドミュナスとはそれを認識できる存在。
故に無理やり一体化し、ロジャーを倒すために動かしていたアランはドミュナスではない。
故に一度はドミュナスと認めたシュバルツの意思に従い、
ビッグデュオは真実の一つを開示するために空へと飛び立っていった。
Act:25 The War of the Paradigm City
エンジェルがとっても不安定になったことで、パラダイムシティが崩壊を初めた状態。
なお作中人物(特にアレックス)にはこの崩壊現象がユニオンの仕業と思われています。
便乗してアレックスは暴れてますが、彼は実際のところなにもわかってない人です。
ついでにヴェラも一応現実世界のエンジェルに特殊な役割を与えられた存在ですが、
彼女も割りと何もわかってな人です(多分ゴードンのせい)。
Q.で、40年前に起こったことって?
A.そんなモノないです
Q.エンジェルがメモリーってどういう意味?
A.エンジェルにはこの世界のすべての構成が詰まっているということ
Act:26 The Show Must Go On
アレックス:
世界の真実などもうどうでもいい!
ロジャーだけがザ・ビッグのドミュナスであるなど気に食わん!
僕が新たな世界の神となる!
ロジャー:
アレックスがパラダイムシティの頂点にいるのはまぁいいとして、
ビッグファウを動かすためにしてきたことは絶対に許せん!
という意地のぶつかり合い。
物語の最終的な着地点については
こちらの最後辺りに書いてます。