デモンベインという作品は、物凄く巨大なタイムリープものです。
この記事で解説するのは『機神咆吼デモンベイン』というゲームのあらすじではなく、
デモンベインという作品が持つ設定レベルのお話です。
むかしむかしあるところに
その昔、地球上にはたくさんの神がいました。
ただしそれらは悪い神様であって、邪神と呼ばれるものです。
そんな邪神を倒すために、一柱の善い神様が降臨しました。
ただそいつはとっても弱いやつでした。
弱いけど、全然諦めない不屈の闘志を持っていました。
輝くトラペゾヘドロン
そんな善い神様は、最終的に邪神を封印(語弊あり)することに成功しました。
それが「輝くトラペゾヘドロン」と呼ばれているものです。
輝くトラペゾヘドロンとは多元宇宙です。
邪神の存在した宇宙を、更に別の宇宙で包み、それを更に別の宇宙で包み、
更に更に更に更に更に∞としたのが輝くトラペゾヘドロンです。
因みにデモンベインが所持している長大な得物は
厳密には輝くトラペゾヘドロンではなく輝くトラペゾヘドロンを使用するための物質です。
輝くトラペゾヘドロンの本体は長大な得物の真ん中に存在する箱です。
無貌の神
別の宇宙に存在している無貌の神、ナイアルラトホテップは考えました。
どうにかして邪神の宇宙を解放できないものかと。
そのためには輝くトラペゾヘドロンを壊さなければならないが、
輝くトラペゾヘドロンは邪神が扱えるものではない。
そして輝くトラペゾヘドロンを壊すためには輝くトラペゾヘドロンが必要。
さてどうしよう。
どうしよう。
おぉそうだ。輝くトラペゾヘドロンを扱える英雄を作ってみよう。
完成するまでずっと時間を巻き戻してやり続けよう。
マスターテリオン
というわけでまず一人目、最凶の魔人であるマスターテリオンが完成しました。
彼には後に完成する「絶望を知らぬ英雄」の対となる機能が組み込まれていました。
マスターオブネクロノミコン
対してもう一人、善の意識を持った英雄マスターオブネクロノミコンが必要でした。
彼の完成には更に長い繰り返しを必要としました。
幾千、幾億の繰り返し
そうして繰り返された到達点、大十字九郎の完成する正にその時が
「機神咆吼デモンベイン」という形で我々が確認できるゲームになっているのです。
正確にはアルルートが大十字九郎が完成する場合の物語です。
完成しない場合は瑠璃ルートで描写されます。
完成しない物語
大十字九郎が完成しないとはつまりマスターテリオンに敗北した場合です。
大十字九郎はマスターテリオンと拮抗するほどの力を得た場合に輝くトラペゾヘドロンを使えるようになり、
大十字九郎が輝くトラペゾヘドロンを使えるようになることでマスターテリオンも輝くトラペゾヘドロンを使えるようになります。
この2つのトラペゾヘドロンの衝突により邪神の宇宙を解放するのがナイアルラトホテップの目的であるため、
大十字九郎がマスターテリオンに破れた時点でリセットボタンを押します。
リセットされた場合、大十字九郎とデモンベインはアリゾナの砂漠に墜落します。
覇道鋼造
そしてこの墜落には作品の重要人物である覇道鋼造が巻き込まれます。
ここで瀕死の傷を負った鋼造は九郎に頼むのです。
死する自分の未練代わりに昔の女に会いに行ってくれないかと。
こうしてループをしている大十字九郎は覇道鋼造に成り代わってアーカムシティに帰還します。
ブラックロッジ/マスターテリオンと戦いながら、
次のマスターテリオンとの決戦のためにデモンベインを修復し、
後をこのループの大十字九郎へと託して。
なおその過程で起きたのが機神胎動だったり軍神強襲だったり。
この幾千、幾億の繰り返しの果てに存在するのが「機神咆吼デモンベイン」という物語です。
旧神
では話を戻して、最初に邪神を封印したものはなんだったのか。
人間が生まれるよりも前に出現した善い神様とはなんだったのか。
これをゲーム中ではデモンベインのシルエットで表しています。
では最初に邪神を封印したのが本当に旧神に至った大十字九郎/アルアジフ/デモンベインだったかというと、そうではないかもしれません。
しかしそうであるかもしれません。
最初に邪神を封印したのは「旧神に至ったもの」です。
旧神に至ったものに邪神の宇宙を封印されたため、ナイアルラトホテップはループを開始したのです。
しかしそのループの中でうっかり「旧神に至るもの」を作ってしまったのです。
しかしこれはあくまで大十字九郎の一つの可能性です。
大十字九郎は旧神に至るかもしれないし、至らないかもしれません。
同様に最初に邪神を封印したのは九郎かもしれないし、そうでないかもしれません。
あくまで最初の善い神様は「旧神に至ったもの」だからです。
Q.つまりどういうこと?
A.神様の力は人間の言葉では説明できません