正直言いますと、このゲームを買った理由は
「お色気バカゲーからお色気バカ要素を取ったらどうなるか」
という旨の話をするためでした。
それも駄目な方向で。
で、実際プレイしたらどうだったのか…。
実のところ、方向性としてありなんじゃないかと思ってきた次第。
というわけでこの記事は神田川ジェットガールズというゲームがどうしてこうなったのかと、
実際にプレイした感想を書いていきます。
因みに前半部分は状況からの予測であり、ソースはありませんのでご注意ください。
お色気バカ要素のなくなったゲーム
さて「神田川ジェットガールズ」というゲームはメディア展開から始まっています。
ゲームのプロデューサーは閃乱カグラでお馴染みの高木 謙一郎氏。
氏は以前にもメディアミックスからのゲームを展開しており、
それが「ヴァルキリードライヴ」です。
ゲームとしては閃乱カグラの姉妹作のようなもので、
普通のアクションゲームと女の子が武器になるという要素、
あと脱衣とおっぱいに彩られた作品でした。
で、神田川ジェットガールズも脱衣とおっぱいは受け継がれていました。
アニメ版は。
こちらもヴァルキリードライヴ同様先にアニメを放映し、
後でゲームを発売するスケジュールを取っていました。
つまりゲームとアニメは同時進行です。
そしてアニメ版にはこういう設定がありました。
「ウォーターガンの射撃で強い衝撃を受けると「安全のため」スーツがパージ(解除)される」
どうよこのバカげた設定。
アクションゲームであろうが、レースゲームであろうが、ダメージを受ければとにかく脱がす。
この辺りがシリーズ作品の血脈を確り受け継いでいた要素でした。
が、ソニーは2019年になってPS4のゲームの性的表現の規制を強化。
閃乱カグラ Burst Re:Newalもアメリカで発売するに当たりかなり修正をされているようです。
あちらは既に発売されていたものを世界展開するための修正だったのでそれぐらいで済んだのでしょう。
ただ神田川ジェトガールズの発売日は2020年1月16日。
つまり規制強化が徹底された後に発売しなければならなかったわけです。
(因みに性的表現規制に関する明確なガイドラインは当時なかったそうです)
そして高木Pは台北ゲームショウ2019でこう言っています。
「服も脱げない、破れない、おっぱいも揺れない『閃乱カグラ』でいいのか?」
当時はこれぐらいやって様子を見ないと審査が通るかわからない状態だったようです。
そうすると神田川ジェットガールズもアニメ版では使用できた
「衣服パージの設定」がゲームでは使えなくなり、
Burst Re:Newalで削除した更衣室のスキンシップ機能も模倣できません。
後に残るのは「お色気バカゲーからお色気要素を省いたゲーム」
つまり「女の子でレースゲーム」という部分だけが残されたのです。
それも女の子のエッチな反応を見て楽しむバランス調整をしていたものから
「女の子のエッチな反応を見て楽しむ」部分だけ外したものが。
レースゲームとしての面白さ
そんなわけでここからが実際にゲームをプレイした感想です。
前述の通り普通のレースゲームになってしまったわけですが、
実際その完成度はお世辞にも高いとは言えません。
開発会社であるSHADEはコンシューマ機ではバレットガールズシリーズ、
スマートフォン向けにはロボゲーを作っている会社です。
レースゲームには初挑戦です。
実際に完成したものはというと、
「スピード感のない敵が弱すぎるレースゲーム」となっています。
スピード感に関しては私がこのゲームを買わなかった一番の理由で、
レースゲームとしては致命的な欠点です。
描画の関係なのか、時速90kmで疾走している割に背景の流れが遅いです。
カメラを機体に近づければもう少しスピード感は出るのですが
オプションのカメラ距離を「近い」に設定しても殆ど変わりません。
寧ろパイロット視点とか用意した方が良いのではないか。
脱衣があった場合は色々と滞らなかったでしょうけど。
あと敵が弱すぎるに関しては本当に弱いです。
レースゲームが得意でない私からしても、決勝戦という状況で30秒の差を付けて勝利できるぐらい。
レースゲームという媒体でこれは本当に盛り上がりません。
では残念なゲームなのか
これが曲者。
以上の点からこれをレースゲームとして見ると、
全然爽快感のない微妙なゲームになります。
しかし視点を変えれば、誰でも遊びやすいということでもあります。
実際にプレイしてわかったのは、操作性がかなり素直だということ。
水上レースゲームとして見るなら水上感も薄く本格的ではないのですが、
故に波に機体を取られて大幅にバランスを崩すこともなく。
一般的なレースゲームとして見ると道幅はかなり広く、
スピード感が遅い点も裏を返せば操作が忙しくないということです。
それでいて射撃モードなどの特殊な機能もありますが、
前方射撃モードはオートエイムと自動射撃ですし、
後方射撃モード中は自機が自動で動いてくれます。
つまりシューティングに専念してレースをCPU任せにすることもできます。
故にプレイヤーが初心者ならかなり間口の広い作りをしています。
反面玄人がプレイするなら物足りなさが強く出てしまいます。
この点は難易度調整機能などできればよかったですね。
これをオンライン機能に丸投げしてる感じがしてならない。
こういうバランスになってしまったのも
恐らく元々お色気バカゲーとして売ろうとしていたからでしょう。
レースゲーム初心者が手を出しやすいように。
安定のSHADEグラフィック
SHADEといったらバレットガールズシリーズで培われたグラフィックです。
女の子のモデルはとても可愛らしく作られており、
キャラクターデザインをうまく3Dに落とし込んでいます。
ちょっと太めに作られてはいますけど。
今作はジェットマシンも存在。
ロボットゲームを制作していることもあり、メカのモデルもかなり精密に作られています。
ジェットのデザインはどれも特徴があり、ビューモードでは回して眺めたり近づけたり。
細部まで細かく作られているので寄せて確認しても粗はありません。
更衣室とマシンカスタマイズ
そして閃乱カグラお馴染みの更衣室機能はこちらでも健在。
衣装の変更から髪型の変更などなど。
そして神田川ジェットガールズでは肌の色も自由に変更できます。
ちょっと日焼けした小麦色の肌や、顔黒ギャル系までなんでもござれ。
更に凄いのはマシンカスタマイズの方。
強化パーツの選択から色の変更は元より、
塗装パターンの変更や走行エフェクトの変更もできます。
正直このゲームはレースしているよりマシンカスタマイズして眺めている方が楽しいです。
(個人の感想です)
因みにこれだけカスタマイズが豊富なのにカスタマイズ画面のロードはほぼありません。
キャラクターの衣装を変更するときですら一度キャラクターが消えることもありません。
Vita時代のバレットガールズで見せた爆速ロード再びです。
ファンタジアの遅いロードは何だったのでしょうね。
一応モード選択やレース開始時は5~10秒程度ロードが入ります。
閃乱カグラのゲストキャラ
正直発表当初は節操ないなぁと思っていました。
全く関係ないゲームに閃乱カグラのキャラクターを出すのかと。
まぁPBSにヴァルキリードライヴのキャラがコラボしたのは嬉しかったのですけど。
で、一つ誤算だったのですが、
閃乱カグラのキャラクターが参戦するということは、
SHADEクオリティの閃乱カグラキャラクターが使えるということです。
その実、閃乱カグラがある程度キャラをデフォルメしているのはありますが
担当である八重樫 南氏のイラストを原作以上に再現した閃乱カグラキャラクターが使えます。
素晴らしい再現度です。
寧ろこのモデルでPBSをやりたいぐらい。
総評:レースとして悪いけどゲームとして悪くない
そんなわけでゲーム内容を総評すると、
レースゲームとしての出来はお世辞にも良いとは言えず、
スピード感はなくCPUもとても弱いです。
反面レースゲームに慣れていない人にとってとても操作しやすく、
ゲームの作り自体の間口はかなり広いです。
また長年美少女モデルを作り続けてきたSHADEらしく、
キャラクターやジェットのグラフィックは一級品です。
キャラの着せ替えやジェットのカスタマイズを楽しみたいなら
かなり良い出来をしています。