2023年1月29日に発売されたAI作品の感想記事です。
感想サイトとして一回はAI作品を扱った方が良いだろうと思っての記事です。
またこの記事では著作権に関する問題には触れません。
そこは趣旨ではないので。
あくまで販売することを是とした場合の感想です。
内容としてはAI作品のどこに価値を感じお金を出すかという点。
あと個人でAI作ってるような人ではなく
NovelAIなどを使っている場合の話です。
良いところ
先に良いところについて触れておくと、
イラストとしての質が高いところは確かに良いものです。
質の高いちっちゃいふたなりの女の子のCGが沢山欲しい
といったニーズには応えられているものだと思います。
ただ評価点かと言われた個人的には否定するもの。
何故なら質が高いかどうかは『当たり前だから』
AI使って質が悪いならそれは調整と試行回数不足です。
同様に量も評価外なのですが、こちらは値段との兼ね合いによります。
まぁ当作は500円ですが、値段に思うところは人それぞれですね。
私はあと1.5倍ぐらい枚数あっても良いんじゃないかと思います。
枚数の問題ではないのですけどね。
AI作品の価値
イラストレーターさんが作品を販売するに当たり値段の決め手となるのは何か。
だいたいは作業時間、依頼される側であれば依頼料。
相場はetc。
人は生きていく上での対価を貰うわけです。
ではAI画像生成ではどこにお金を払えば良いのか。
(イラストを『表示する』という点についてのみであれば)
AI作品が画像を出力するのはPCであり人間ではありません。
それを出力するための機器にお金を使っているのだと言われればそうですが、
正直一部の人物を除きイラストレーターも創作環境にかなり投資しています。
これは比較要素ではないでしょう。
もう一つは生成するための的確な文章の選択と試行回数。
出力されたものの手直しとetc。
じゃぁそこにお金を出すのかと言われたら、これも個人的には少し躊躇するもの。
言い方は悪いですが、AIで思い通りのものを『出力する』努力というのは
イラストレーターが好きなものを『描けるようになる』努力と比べて
ミジンコのようなものですよ。
AIの発展を否定しないのですが、
AIで画像出力してそれを販売しようという使い方には否定的です。
ではAI作品にどうやったらお金を落とせるかと言えば、
イラストを出力する部分以外の価値をどう高めるか。
問題:AIは同一人物を『描けない』
※高性能なimg2imgなどを使って元画像をAI補正する場合はまた別の話
例えば本作の商品説明には『基本20枚+差分18枚の合計38枚』と書いてあります。
ではCG集の差分とは何でしょうねと。
本作に収録されているのは射精差分となりますが、
今までのCG集での射精差分とは『同じ女の子が』表情を崩して射精しているものです。
ではAI作品ではどうなるかというと、このようになる。
ネコミミの色が変わっとるやんって。
なお下の方を見ると塗りや体型もそこそこ変わってます。
その2枚を比べて本当に『差分』と言えるのかってお話です。
今のAIは基本的に全く同じ人物を描くことは出来ないのです。
予想ではありますが、本作は何百枚と試行した最も似ているものを差分としているかも知れません。
しかしそれは本当に凄く『似てる』というだけの話です。
『差分』じゃない。
ただ研究を重ねてこれを可能とするシステムやモデルは今後作られるかもしれません。
ただこのCG集が発売された段階ではそれが利用できていないものです。
正直いえばこのCG集の場合『差分』じゃなくて射精してる女の子を別人で用意した方が納得できると思う。
背景の同一性も保証できない
同じ人物が出力出来ないのに加え、同じ背景も出力できません。
収録されているのは似てる場面なだけで別の場所です。
だって扉の模様とか壁の材質どころか建築構造すら変わるんだもの。
特に背景の草や木の変化は顕著。
とても似てる場所でとても似てる人物が射精しているCG。
これは本当に『差分』なんでしょうか。
例えばこれを本当に差分にしたいなら方法はありますね。
まず最初の画像を人物と背景に分離し、人物を抜いた背景を補完する。
二枚目からは射精部分と崩れた表情を抜き取り、
一枚目の人物になじませながら合成する。
最後に一枚目+補完背景と二枚目+補完背景を用意する。
これで『同じ場所』で射精してる『同一人物』の完成です。
え? そんな手間のかかることができるかって?
その『手間』が『価値』だよ。
因みに背景については切り抜いて使っているゲームはありました。
※切り抜いたのか元から人だけを出力してるかはわかりませんが。
それでもキャラの同一性は保てていませんでしたが、
あれはゲームCGとして準備しているのに努力が見えましたね。
ゲームとして作るならCG以外の部分でもきちんと価値が出せるので
CG集よりかは幾分販売しやすいものにはなるでしょう。
ついでに紹介しておくと、同一人物を出力できないのを逆手に取ったのか、
イラストレーターの違い的な感じで
殆どのエッチシーンで作画雰囲気を大幅に変更する手法を取ったものもあります。
まぁ差分でも別人になってしまうのは相変わらずですけど。
まとめ:差分を作れるようになってから
これは個人的な感覚ですが、
AI画像生成は差分を作れないことが問題だと思ってます。
将来的に是正されていくものかとは思いますが、
それができるようになったら今度はCG集でもゲームでも
出力した画像を『魅せる』ことにリソースが移っていくでしょうね。
今の技術でそれが力技でしか出来ないなら力技でやる。
そうまでした時に初めて価値が生まれると思います。
今のAI制作作品にそれが出来ているかは人それぞれの判断によるところ。
当ブログとしては、
差分こそが最重要な立ち絵戦闘エロをAI生成できるようになってから来てくれと。
3Dカスタム少女現象
因みにこれと殆ど同じ現象が10年前に起きていたりします。
そう、3D少女を自由に弄って商業利用も可能としていた『3Dカスタム少女』の登場です。
流石にAIほど手軽ではありませんが、
誰でも簡単にキャラクターを用意できるということでたくさんの作品が販売されました。
まぁ殆どの作品が粗製乱造扱いされて、
3Dカスタム少女を使ってることが売れないステータスにもなってしまったほどですけど。
それでもこれとか
これは凄く売れた作品
両方とも一般的な3Dカスタム少女の使い方とは異なりますが。