2022年07月24日にサークル…というよりブランド「Whisp」より発売しておりました
「ガマンができない童貞アニキとスナオになれない反抗妹」とそのアペンドに関する感想記事です。
といいつつ最初は妹萌えとはなんぞやという話から。
妹萌えとは
作中でもメタ発言されていますが、一時期この界隈では妹萌えが非常に流行しました。
その中でもエロゲーとして一番売れていたのは恐らくCIRCUSのダ・カーポかと思われます。
地上波深夜アニメ化もしましたし。
対して妹出過ぎて食傷気味になった界隈は新たな妹にチャレンジし、
電脳世界に取り残された上にラスボスになる妹とか、
昨今で使われる「キモウト」の語源になっちゃった妹とかが登場するようになりました。
正直、あの時代のチャレンジ精神は面白かったですね。
なお個人的な見解ですが、キモウトこと当真未亜の世界破滅願望(とあの女の匂い)自体はシナリオ的に問題ないんですよ。
自分が問題としてるのはエンディングで記憶をなくして
アレだけのことをやらかしたのに(本人の行動上)一切償うことなく兄の庇護下に置かれたこと。
いや、設定上記憶をなくした方が良かったって思われて周りにチヤホヤされるのはわからなくもないんですけど
ちゃんと面と向かって確り償えと思った記憶があります。
まぁそんな横道はさておき、これらのゲームに共通するのは殆どの場合で
兄が大好きなブラコンか、兄に絶大な信頼を寄せるブラコンか、
嫌ってるのは表面上で内心ぞっこんなブラコンか。
と、とにかくブラコンが多めでした。
中には本当に嫌ってるのもいましたけど、
凌辱系の方面でなければ最初から最後まで好感度高めであることが多かった存在です。
※ただし10年以上前のエロゲー界隈の話で、昨今の商業エロゲーはわかりません。
本作の反抗妹
対し本作の妹ことちえはどうなのか。
先に書いておくと、本ゲームには「ツン」や「デレ」といった表現は適しません。
より正確にはゲーム的に表現された「ツン」や「デレ」はありません。
あえて言葉にするなら「ツン」や「デレ」を含んだ一人の自然体。
それがこのゲームの妹です。
なお作中終盤で「ツンデレの妹」と評しているシーンはありますし、
その時点では割りとツンデレです。
例えば10年以上一緒に生活してきたからこそ知っている兄の特徴とそこからくる嫌悪感。
容姿が変とか、見窄らしいとか、「キャラ付けとしての即物的な嫌悪感」ではなく、
兄という人間を知っているからこその、好き嫌いすべてを引っくるめての「キモい」
片や好きという気持ちを認め合う前から持っている、
10年以上付き合ってきた兄に対する信頼感と、
無意識に持っている家族としての安心感。
この2つをもって「ツン」や「デレ」と表現するのは適さない
本当に妹としての自然な言動と行動をするのが本作の妹です。
妹ゲームの兄
では兄の方はどうか。
先述の妹ゲームの例でいうと、兄というのはやはり妹大好きのシスコンであることが多いのです。
ただこれに関しては本作も同じ……というよりは無自覚シスコンで、
最初こそ妹への感情を忘れていたものの、ストーリー中に「ある程度」自覚するシスコンです。
ある程度というのは、そもそも妹萌えの根底にあるのは(凌辱ゲーでない限り)
「兄は妹を守るもの」という思想です。
家族として当然持っている感情です。
これに関しては本作の主人公も当然で、
妹が好きとか嫌いとかムカつくとかそういった感情に関係なく、
どんな時であろうと自分は妹のためなら身体を張ると
「好きと認め合う前」に公言しています。
また本作は相手が実妹であるため、そもそも恋愛感情を持つ対象ではなかったのもあります。
つまりこの兄は妹が好きでたまらないシスコンなのではなく、
兄として極めて真っ当な妹愛を持った人間だったのです。
「だった」のは勿論ストーリー中盤までですが。
そんな兄と妹がどう結ばれるかは妹の性格により異なりますが、
共通するのは妹のために兄が頑張り、妹はそれで兄を意識するというものです。
初エッチのやっちゃった感
そんな兄妹の初エッチは、妹愛からくるシスコンっぷりを自覚した兄と、
そんな兄を挑発して一線超えそうになったのを別に良いかと思ってしまった妹。
つまり(期待度は別にして)流れに身を任せて挑発してたら
互いにブレーキがぶっ壊れてやっちゃいましたって状態。
実の兄とセックスして気持ちよくなっちゃってる自分はなんだろうと思いながら、
実の妹とセックスして中出し決めちゃった自分は何なんだろうと思いながら。
それでもそれを悲観することなく、逆に喜ぶこともなく、
後悔してるかと聞かれたら「後悔している」と笑って返すような関係。
童貞兄妹
しかして、妹は今更兄にすべてを曝け出すこともなく、
口をつくのは悪態で素直じゃなくてエッチも自分の本心なんて見せやしない。
対する兄は妹が好きだと自覚してエッチまでしても、
人を好きになるのもエッチをするのも初めてで、
妹の態度がわからないは不安にかられるはと童貞ムーブ。
互いを好き同士だと認めたところで、10年以上一緒にいた家族との関係は劇的に変わることもなく、
元々家族なのだからこれからの住環境が変化するでもなく。
それでも好きな相手のことは気になるし心配もするしエッチもしたい童貞臭い兄と、
好きだとわかっても相手は家族だし接し方も変わらないけど、
エッチしたいしそれを素直に表現するのは癪に触るから反抗的な態度を取る妹。
後半はそんな二人のエッチ三昧な日々が繰り広げられます。
で、こっからはシステムな話とアペンドについて。
妹の性格設定
本作は最初に選択する誕生日プレゼントで妹の容姿と性格が変わるようになっており、
容姿3種、性格3種の計9種あります。
ただし大元の人間性は変わらないため、主に「どのように悪態をついてくるか」といった変化になります。
シナリオの大筋も変わらないため、基本的には
悪態をつく仲 → 妹の困った状況を兄が助ける → 互いに意識からのエッチ → 以後エッチ三昧。
個人的に面白かったのはオタクな性格になった場合。
妹は兄を見て育っているため、妹がオタクということは兄もオタクだということ。
そしてこの場合、地の文や台詞のいたるところで
ネットスラングやアニメ漫画といったサブカルの台詞を連発します。
例えばオタク妹の初エッチ時の台詞がこれ。
人によっては白ける可能性もありますが、もう止まれないぞと兄に言われたときの返し。
これ以外にも兄がお菓子の準備中に「(量は)大丈夫だ、問題ない」→「一番いいお菓子も持っていこう」とか
エッチ中に「(テクが)この程度?」→「いつから本気だと錯覚していた?」→「何…………だと……?」
といったものも多数。
好意的に捉えるなら、そもそもこの作品は「彼女に良いところを見せる彼氏」を考えなくて良いため、
オタク兄妹の自然な交流(とエッチ)を描いたらオタク同士のやり取りになっているということ。
因みにアペンドで騎乗位中に反省を促した時は流石に笑いました。
回想シーン
妹の組み合わせが9種もあるならコンプリートまでに9週もするのかと言われたらそんなことはなく、
一回登録すればすべての性格と服装でエッチシーンを見られるようになります。
性格を変えると声優さんの演技もぜんぜん違うため、
同じシーンでも新鮮な気持ちで楽しめると思います。
なおゲームとしてはエッチシーンよりも日常会話の方が性格の違いが面白いため、
やはり3週やるのがおすすめ。
CGギャラリー
あと個人的にとても気に入ってるのはCGの方。
このゲーム、一枚のスチルでも瞳の位置は決まってないらしく、
回想では眉や口元の選択と、瞳とまぶたの閉じ具合はフリーで調整できます。
ADVゲームのCG回想としてはかなり珍しい仕組みをしています。
これで本編で使われてない視線や組み合わせを作って遊ぶのもまた一興。
アペンド1
本編の発売から結構すぐにアペンドが発売されましたが、
本編の完成度が高いのでアペンドそのものに割高感は感じません。
お値段も200円程度ですしね。
アペンド1は本編で存在しない「よそ行きの服」での着衣エッチ。
部屋着での着衣エッチは複数ありますが、外出しないためよそ行きはありませんでしたので。
アペンドのためかもしれませんが。
因みに本編ストーリー終盤のエッチラッシュは殆ど全裸です。
というか着衣エッチさせるとこのゲーム、容姿違いで服も3種用意しなければならず、
恐らくはCGを用意する予算(と手間)の問題でしょう。
アペンド2
アペンド2は反省を促す騎乗位の……ではなく。
サンプルだとゲーム中の兄に悪戯するような感じですが、
実際のメインはその後の実況エッチプレイです。
素直になれない妹の本音実況プレイは良いぞ。
なお両アペンドともにCGは3枚で1シーン扱いです。
エッチシーンの導入として簡単な日常シーンはありますが、
基本的にはエッチシーンのみと考えた方がいい短さです。